総合診療医は、“正解”を押しつけない医師。だからこそ、患者にとってかけがえのない存在だ。
放送日時

2025年7月13日(日)
21:00スタート
TBSテレビ
予告動画はこちらからご覧いただけます
「19番目のカルテ」 公式サイトはこちらからご覧いただけます
この記事にはドラマの内容に関するネタバレが含まれています。未視聴の方はご注意ください
見どころ紹介
第4話で描かれたテーマは糖尿病。
糖尿病は血糖値の異常という“疾患”であると同時に、将来への不安や生活の制限といった“病”の側面も持っています。
人は数値だけでなく、その病を抱える日常全てから苦しむ——この回では、その現実が丁寧に描かれていました。

糖尿病とは
糖尿病は、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が慢性的に高くなる病気です。
原因は、血糖を下げる唯一のホルモンであるインスリンの「分泌不足」または「作用不足(インスリン抵抗性)」です。
症状
- 初期は自覚症状が乏しい
- 進行すると
- 口渇(強い喉の渇き)
- 多尿(尿の量や回数が増える)
- 体重減少
- 倦怠感(だるさ)
治療と管理
- 食事療法:適正エネルギー量、バランスのよい栄養摂取
- 運動療法:有酸素運動+筋力トレーニング
- 薬物療法:経口血糖降下薬やインスリン注射
- 定期的な血糖・HbA1c測定と合併症チェック
予防
- 適正体重の維持(BMI 22前後が目安)
- バランスの取れた食事(野菜、たんぱく質をしっかり摂取)
- 毎日30分程度の有酸素運動
- 健康診断での血糖値・HbA1c確認
糖尿病は「インスリンの異常」によって高血糖が慢性化する疾患で、合併症を防ぐためには早期発見と生活管理が不可欠です。
「疾患」と「病」
- 疾患(しっかん):検査や診察でわかる、体の異常や病理的な状態。
- 病(やまい):患者が感じる不安、ストレス、生活の不自由、周囲との関係性など。
徳重先生は、この両方に向き合うことの大切さを強調します。
検査の数値はすぐに見える。でも、不安やストレスといった“見えないもの”は、対話の中でしか浮かび上がってきません。
一歩引いて見る医療
患者の姿を、近くからだけでなく、一歩引いて全体を俯瞰する。
見えない思いを可視化するために、紙に書き出して整理し、それを医療データとして活かす。
そのプロセスが、病の背景を見つけるヒントになります。

個人的な感想
糖尿病は慢性的に付き合っていく病気だからこそ、患者本人だけでなく家族の生活にも大きな影響があります。
毎日の食事、運動、通院スケジュール……続けることは簡単ではありません。
だからこそ、医師が数値だけでなく「人」を診ることが、患者にとっての支えになる。
徳重先生のように、一歩引いて広い視野で寄り添う医師が増えてほしいと強く思いました。
この回を観て、「糖尿病=生活習慣病」という一言では片づけられない深さに改めて気づきました。
医療ドラマでありながら、人生や家族の物語として心に残る一話でした。

次回予告
次週は、心臓血管外科医・茶屋坂先生の物語。
天才と呼ばれる外科医が抱える葛藤とは何か——その腕の裏側にある人間ドラマが描かれます。
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